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3Dプリンターで作るモッツァレラチーズ

執筆者: 2D

最終更新: 2021/11/10


※ちゃんとチーズを作ります。これを真似して何かあったとしても責任は取りません。

必要なもの


今回は3Dプリンタを用いてモッツァレラチーズを作っていきます。

早速ですが、必要な材料は以下の通りです。基本的にどこの家にでもあるものです。

  1. 低温殺菌牛乳(今回はタカナシ牛乳を使用)
  2. ボウル類
  3. 穀物酢
  4. 放射温度計(なければ接触式でも可)
  5. 3Dプリンタ(ヒートベッドの最高温度が90度以上であること)


最悪、1,3,5さえあればOKです。温度は感じ取ってください。
牛乳は割引品を手に入れると割安です。1L300円以下ならチーズの既製品を買うより安くなります。



作り方を大雑把に言うと、牛乳を温めて酢を投入し、チーズを作ります。レンネットは使いません。
酢を投入してから50℃、30分の保温が必要らしいのですが、普通にやると温度管理が面倒です。
とはいえ、鍋につきっきりというのも面白くありません。
そこで、3Dプリンタのヒートベッドを恒温台として使用するわけです。
当然、面倒な温度管理は必要ありません。


作り方


さて、以下に過程を示します。

  1. ヒートベッドで牛乳200mlを63℃付近まで温める
  2. 穀物酢を10ml投入し、少しかき混ぜる
  3. このまま50℃程度を維持しつつ、30分保温する
  4. 析出物を漉す
  5. 析出物を90℃の熱湯内に投入し、練り上げて完成



こちらが本調理の調理系です。実際にはこれに加えて放射温度計を取り付けています。



調理家電(3Dプリンタ)はENDER-2を使用しています。
電源は付属のものが怪しかったので自分で加工したジャンク品ATX電源を使用しています。
ヒートベッド温度は余裕を見て88℃としました(Control>Temperature>bed>88℃)

製造から完成まで


それでは作っていきましょう。以下、写真が続きます。





あくまでも実験的調理ですから、数分ごとに温度を計測します。
結果はこの通り。縦軸はセルシウス温度(℃)、横軸は時間です。
Excelの関係上このように書いていますが、1790なら17時50分と読み替えてください。



ヒートベッドによる間接的加熱でも湯気が立つほどには昇温できます。
また、温度と時間は正の相関を持ちますが、ある値に向かって漸近する様子もわかります。
(実際、設定88℃だと牛乳は61℃付近で安定)

さて、目標の63℃まで行きましたから酢を入れて軽く混ぜます。
あとはヒートベッド温度を70℃に設定して30分放置。



30分経ったのでザルに析出物を濾し取り、熱湯内で練って完成です。
素手で整形すると熱いですが、溶けたハンダよりは熱くないので何とかなります。
冷えた塩水に漬けて粗熱を取りつつ、塩味をつけましょう。




どうやらうまく行ったようです。
今回は200mlで作りましたから、製造原価は50円くらいですね。これでピンポン玉2つ分位できます。
市販のものが100gで300円程度なので、(少しは)買うより安いです。

ま、「自分でチーズ作ったんだぜ~!!」と自慢できるので、そのあたりを考えれば大幅なプラスですね。
「3Dプリンタで作ったんだぜ~!!」と言うと称賛と奇異の目で見られることは確実でしょう。

以上がモッツァレラチーズの作り方です。味は市販品と遜色無いものでした。

おまけ


最初は別メーカの低温殺菌牛乳を使用していました。しかし、酢の分量がまずかったのか、モッツァレラチーズではなくカッテージチーズに・・・。これはこれで美味しいです。


取得に失敗しました

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