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Surface Pro×Androidを試したお話1

執筆者: しげ

最終更新: 2021/03/07

Microsoft Corporationが2013年前後から展開し始めたWindows搭載タブレットとして有名なSurface Proシリーズ,当時はIntel Core i5やIntel Core i7搭載の高性能タブレットとしては唯一な選択肢と言えるほどであった.そんなSurfaceシリーズだが,現在は高性能な2-in-1 コンピュータも多くなり,あまり活用価値がないのではないかと思われる方も一定数いると思う.Windowsは現在の高性能な2-in-1 コンピュータでも使えるため,古いSurface Proの新たな活用法を考えることにした.それはSurface×Androidである.

ところで,皆さんはOSという言葉を知っているだろうか?OSとはOperating System,基本ソフトウェアのことで,ハードウェアとソフトウェアのやり取りを行い,コンピュータの動作を陰で支えている存在で,オフィスソフトやWebブラウザなどの応用ソフトウェアが動くために不可欠な存在である.OSが入っていなければ,コンピュータの電源を入れても画面は真っ暗なままである(か,BIOSの画面が表示される).
Surface ProシリーズにはWindows OSが標準で入っているが,これを書き換えて他のOSを走行させることも出来る.OSの基本構造はどのOSにも共通するため,Unix派生のOSであるLinuxはもちろんのこと,Androidスマホで走行するAndroid OSも理論的には走らせることが出来る.AndroidはFreeBSD系だが,これもまたUnix派生のOSである.

ここでOSが走行可能なハードウェア要件について定義しておく.コンピュータアーキテクチャと呼ばれるものである.コンピュータにはCPUという処理パーツが内蔵されているが,このCPUが実行する命令の種類を定義しているものが,コンピュータアーキテクチャである.CPUのアーキテクチャが異なれば実行する命令も異なるため,互換性がない.IntelのCPUはx86,AMD64というアーキテクチャである.Android OSは実はARMというアーキテクチャでの走行を前提にしているため,素のままではSurface Proシリーズで走行しない.Android OSはオープンソースのため,その中身を改造することができる.これにより生まれたプロジェクト,Android-x86プロジェクトがある.このプロジェクトはAndroid OSをx86,AMD64などの本来対応していないアーキテクチャのコンピュータで走行させることを目的としているプロジェクトである.


ここでは,実際にAndroid-x86をSurfaceに導入した感想を述べる.なお,OSの書き換えにはデータ消失の危険が伴うため,十分注意して欲しい.データ損失などのいかなる被害に関しても,筆者は責任を取ることができない.まず,Surface Proの中でも導入可能環境が限られていた.Surface Pro 3よりも前でないとAndroid-x86でタッチパネルが動作しなかったため,Surface Pro 4以降ではカーネルを変えてみる必要性があるだろう.

Surface Pro 3以前ではWindows OSと遜色なく動作し,音量ボタンやWindowsボタンなどがすべて正常に動作していた.問題はたまにWi-Fiが反応しなくなることであるが,再起動などで解決するので使えないわけではない.Google Playストアからゲームアプリなどをインストールしてみたが,中にはARMアーキテクチャでしか起動しないゲームもあるため,すべてのゲームがプレイできるわけではない.ゲームなどのアプリ起動に関しては,次回触れるつもりである.

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