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無線給電 補章

執筆者: 2D

最終更新: 3/6/2021

補章 結合係数の導出

結合係数kの測定方法として、相互インダクタンスMからの導出法がある。
それでは、実際に導出を行っていこう。
 
一次側コイルと抵抗をつないだ回路に電源$$E_{1}=E \sin \omega t$$を接続したとする。
すると回路方程式はフェーザを用いて以下のようになることは明白だろう。
 

$$\dot I = \frac{\dot E}{\dot Z}=\frac{E}{\sqrt{2}\sqrt{R^{2}+(\omega L_{1})^{2}}}e^{-j\phi}$$

 
ここで、 φはインピーダンス偏角であるので、以下の通り。
 

$$\phi=\tan^{-1}(\frac{\omega L_{1}}{R})$$

 
つまり、i1は瞬時値を考えて以下を得る。
 

$$i_{1}=\sqrt{2}IM(\dot I e^{j\omega t})=\frac{E}{\sqrt{R^{2}+(\omega L_{1})^{2}}}\sin(\omega t-\phi)$$

 
 
二次側は開放しているので相互インダクタンスの影響しか現れないことを考えると、二次側電圧 は以下を得る。この際、二次側に電流が流れないのでコイルの抵抗による電圧降下は無視できることに注意したい。
 

$$v=M\frac{di_{1}}{dt}=M\frac{d}{dt}{\frac{E}{\sqrt{R^{2}+(\omega L_{1})^{2}}}\sin(\omega t-\phi)}$$

 
すなわち、                                                                             
 

$$v=\frac{\omega ME}{\sqrt{R^{2}+(\omega L_{1})^{2}}}\cos(\omega t-\phi)$$

 
 
 
これで二次側電圧と相互インダクタンスの関係式が導かれた。
二次側電圧vのピーク電圧をvmaxとすると以下のように三角関数成分を消すことができる。
 

$$v_{max}=\frac{\omega ME}{\sqrt{R^{2}+(\omega L_{1})^{2}}}$$

 
それではMの式を導こう。先に示した式を変形して以下を得る。
 

$$M=\frac{\sqrt{R^{2}+(\omega L_{1})^{2}}}{\omega E}v_{max}=\frac{\sqrt{R^{2}+(2\pi fL_{1})^{2}}}{2\pi fE}v_{max}$$

 
つまり、結合係数kは以下で求めることができる。
 

$$k=\frac{M}{\sqrt{L_{1}L_{2}}}=\frac{\sqrt{R^{2}+(2\pi fL_{1})^{2}}}{2\pi fE\sqrt{L_{1}L_{2}}}v_{max}=\frac{\sqrt{R^{2}+(2\pi fL)^{2}}}{2\pi fEL}v_{max}$$

 
ここからはさらに変形を行っていこう。まずはωを含む式にkを変形する。
 

$$k=\frac{\sqrt{R^{2}+(\omega L)^{2}}}{\omega EL}v_{max}$$

 
ωL=RQであることを考えて以下を得る。(Q値の導出を参考)
 

$$k=\frac{\sqrt{R^{2}+(RQ)^{2}}}{RQE}v_{max}=\sqrt{\frac{R^{2}(1+Q^{2})}{(RQE)^{2}}}v_{max}=\frac{\sqrt{1+Q^{2}}}{QE}v_{max}$$

 
ここで、Q>>1であるならばQ>0より以下を得る。
 

$$k=\frac{\sqrt{Q^{2}}}{QE}v_{max}=\frac{v_{max}}{E}$$

 
すなわち、Q>>1であるならば結合係数は近似的に入出力ピーク電圧の比で与えられる。

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