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【日記】祖父母の家で見つけたものについて

執筆者: こつ子

最終更新: 2026/02/28

1.はじめに

 いやはや、こんなタイトルの記事を見ていただいて申し訳ない。岡山大学電子計算機研究会の部員たちによる素晴らしい技術解説を期待されていた方には申し訳ないが、今回は技術の話は少ない。むしろ技術とは逆のオカルトチックな話に感じる人もいるかもしれない。それでもかまわないという方は、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

2.動機

 タイトルに書いてあるとおり、とある空き家、正確に言えば私の祖父母が住んでいた家のことなのだが。少し前に祖父母が年齢のこともあって別の場所に移住をしたため空き家になっていたのだ。

 4か月ほど空き家のまま放置されていたのだが、流石に放置したままというのも近隣の人に迷惑だろうということで、一度大掃除を行い今後の家の処分について検討することになったのだ。

 大掃除には力仕事がつきものである。そこで長期休暇で暇そうに毎日すごしているだろうという偏見から私が大掃除に駆り出されたというわけである。

3.家

 しばらく車を運転し、田舎にある祖父母の住んでいた家に着いた。人が住んでいない家というのはこうもすぐ荒れていくのか、家の中はホコリくさく、淀んだ空気が広がっていた。

 家の全ての窓と扉を開け、箪笥の上のホコリを払う。ようやく人が十分に息を吸えるくらいの空気を手に入れた私は、いよいよ一番の大仕事である、祖父母のものの整理、いわゆる断捨離をすることにしたのだ。

4.断捨離

 引き出しの中からは色々なものが出てくる。母親の若いころの写真、両親の晴れ姿とその横でにこやかにほほ笑む祖父母、そして祖父の若いころの写真も。地区の将棋大会のトロフィーのようなものも見つかった。私は祖父が将棋が強いなんてこと知らなかったのである。

 色々と孫に見られたら恥ずかしいだろうなというものも見つかってしまい、申し訳ない気持ちではあるが整理を続けていく。母親に頼まれていた探し物は大方終わったころ、私はある引き出しの奥にしまわれていた鍵が目についた。

5.鍵

 小さな鍵であったが、シンプルな鍵の形を見るに、比較的簡素な鍵穴と対応したものであるようだ。おそらく乗り物や玄関の鍵ではなく、室内の扉やちょっとした小物入れの鍵を閉める程度のものである。

 こんなものを見つけて興味がわかないわけがない。祖父母には申し訳ないが対応する鍵穴を見つけて鍵を開けさせていただこう。私は掃除のことなど忘れ、家じゅうの鍵穴という鍵穴に鍵を差し込んだ。

 そもそも鍵穴に入らない、入っても回らないという経験を何度も繰り返し、私はようやく件の鍵が階段の陰になっており目立たない位置にあった扉の鍵であることを知った。

6.扉

 階段の陰にある扉を開く、その先は物置だった。古い祖父母の家、さらにその物置なので古臭いものばかり、大半は自分の知らない家具や道具ばかりである。電気もつかない物置をスマホのライトを頼りに進む。蜘蛛の巣が張った物置の更にその奥には勉強机があった。

 子供用のものだろうか、現代の勉強机と大きく変わりはないが古いものなのだろう。ふとその勉強机の上に不自然にホコリがなく比較的きれいな場所があることに気が付いた。

 ライトで照らすとそこにあるのは奇妙な機械であった。

機械

7. 祖父母の家で見つけたものについて

 機械はブレッドボードがむき出しで、業者ではなく個人が作ったものであることは一目でわかった。マイコンとブザー、そして手書きの文字が書かれた紙。これは一体何を表すものなのか。

 ふと手を近づけたとき、文字の書かれた紙が光始めた。どうやら光量を感知するセンサーがあり、私が手を近づけたことでその影にセンサーが反応したようだ。

祖父母の家で見つけたものについて

 真ん中の記号が光ったのちに左右にある「はい」「いいえ」へと光が移動していく。これは一体何を意図しているのだろうが。試しに1つ2つありふれた質問を声に出しながらセンサーに触れてみる。

「こつ子は電子計算機研究会の部員ですか?」 「はい」

「ここはO県K市ですか?」 「いいえ」

 しかし、マイクなどついているようには見えない。所詮はただの乱数生成器なのだろうか。空気の淀みと何となく感じたうしろめたさから私は物置を出て扉に再び鍵をすることにしたのだった。

 その後、母親に物置のことを訊いたが母親は何も知らないようだった。もともと引き出しに隠された鍵で施錠がされていた、しかも階段の陰という目立たない場所にあった扉だ。祖父母にも孫や娘に知られたくないことの1つぐらいあるだろう。私もこれ以上深くは詮索しないことにした。

8.締め

 以上が私がこの長期休暇に経験したことの記録である。面白い技術の話も、驚くべき真相も、祖父母の家に隠された陰謀もなくて申し訳ない。だがこれで私の話は終わりなのだ。

 皆さんの祖父母の家にもこのような機械はなかっただろうか。私はこれ以上なにも詮索しないことに決めたため、このことについて調べることつもりはないが、もし皆さんが私の代わりに調べたいというならば、この記事が何かの参考になれば幸いである。

 ここまで読んでくださってありがとう。私の話したいことは以上である。皆さんも祖父母の家に行く際は、お気をつけて。                                 

               

          

 

 

 

 

 

 

 

  「こつ子は何か知っている?」 はい

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