執筆者: 米
最終更新: 2021/09/09
こんにちは、米です。今日も元気に、そして怠惰に一日を過ごしています。
御託並べはさっさと切り上げ、本題に入りましょう。今回、OUCRC公式キャラクターの言十(こと)ちゃんのイラストを描いたので、メイキングについてゆる~い説明をしようと思います。
完成したイラストはこちら!
それでは早速メイキングにはいります。大まかな手順としては、
といった感じです。資料に関しては必要になるたびに集めています。言い忘れてましたが主な使用ソフトはCLIP STUDIO PAINTです。
今回は資料集め~線画までの内容となっています。
イラストを上手く見せたいなら資料は必須です。めちゃくちゃ大事です。想像だけで描けるなら苦労しません。少なくとも自分は資料がないと描けません…
資料集めに関しては以下の方法があります。
多分もっと方法はあると思いますが、自分はこうしてるよってことです。
まず、自分で資料を作ることについてです。自分で作ると一言でいっても、様々な方法があります。
ポーズ系のソフトを使う、自撮りする、写真を撮りに行く、モデリングするetc…いっぱいありますね。
自撮りに関しては自分のツラと体型を見るのが嫌なのであまりやりません。せいぜい手の参考にするくらいです。このとき三脚やリモートシャッターがあると便利だと思います。
写真を撮りに行くについても、近くの公園とかだったらいいんですけど、海とか山になると時間もお金もかかるので自分は出来ません。構図の勉強にはなるんですけどね…
というわけで今回はポーズ系のソフトを使ったり、元々モデリングしてあったものを資料として使いました。
ポーズ系のソフトは「デザインドール」の無料版を使用しています。操作が直観的なのでクリスタの3Dモデルより重宝してます。ライセンス版欲しいけどお金ないよ
モデリングはBlenderでしています。完全無料なので安心!
ちなみにデザインドールで書き出した画像はこちらです。
ポーズは、自分で実際にやってみて無理がないか確認しながらつけるのがいいです。また、デザインドールにはモデルをワイヤーフレームに切り替えることもできるので、そっちの画像も書き出しておきます。
Blenderで書き出した画像はこちらです。
実際はpngで保存してて背景が透明なんですけど、この記事では見にくいのでjpegに変更して載せています。こいつはそのままイラストの下書きにぶち込んでるので厳密には資料ではありませんが…
次に本についてです。実物は使ってないので省きます。主に参考にしたのは「デジタルツールで描く!服のシワと影の描き方」という本です。内容はタイトルのまんまなので詳しく紹介しませんが、シワについての基本や、写真付きの実例が多く載ってるのでいい本だと思います。
今回はあまり参考にしてませんが、「スカルプターのための美術解剖学」シリーズや「モダリーナのファッションパーツ図鑑」シリーズなんかもおすすめです。
資料本を買うときは、本屋で内容を少しばかり確認してから買うのを推奨します。ネットで買って届いて読んだらコレジャナイのは結構きついです。大量に集めようとするとお金もかかるので…
ちなみに、スタンドを買うと読みやすくなっていですよ(手前)。Amazonで安く売ってるので探してみてください。後ろのは百均で買ったA4スタンドです。
最後に画像検索についてです。これが一番の本命ですね。
Google検索などでもいいですが、自分はPinterestというサイトで検索しています。短く説明すると、検索して気に入った画像(ファイル)をピン止め(保存)してボード(フォルダ)に整理するといった形です。
集めた画像はPureRefで表示してます。たくさんの画像をいい感じに整列してくれるので便利です。詳しくは検索してください(説明が面倒なだけ)。
とりあえず、最低限の資料を集めたらあたりを描いていきます。以下のように画像に線を引いてやると比率や位置関係が分かりやすくなります。
これを参考にあたりを描いていきます…が、今回自分が描いたあたりが下手くそすぎたのであまり役に立ちませんでした…せいぜい位置関係を把握するくらいにしか使えませんでした。
恥ずかしいのであまり載せたくないのですが、自戒も込めて貼っておきます(原色バリバリなので透明度下げてます)。レイヤー構造は別にいいでしょう。
この時点で変形などで修正してたら後でやらなくてもよかったんですけどね…ちなみに。あたり~下描きまでは「アニメーター専用リアル風鉛筆」という鉛筆ツールで描いてます。無料でダウンロードできます。
「下描きの下描きって何だよ?」ってなるかと思いますが、文字のまんまです。下描きと同じ鉛筆を使っています。
下描きの(略)がこちらになります。
レイヤー名と色で構造は大体わかると思います。
体はデザインドールの資料を参考に描き進めていきます。このとき、少しでも違和感を感じたらとにかく「投げなわ選択→メッシュ変形」の力業で修正していきます。初心者なので一発でキレイに描くのは難しいのです。
いちばん苦労したのは手ですかね。いかんせん目立つところなので丁寧に修正しました。
顔パーツに関しては目が命です。投げ縄選択・メッシュ変形・左右反転などあらゆる機能を駆使して形を整えなければなりません。目のバランスが崩れると絵全部が崩れてしまうような、そんな威力があると考えてます。ほかの部位は位置がおかしくなければ大丈夫かなとか思ったり思わなかったり。…この時点だと鼻の位置がおかしいですって?あとで直したので許してください。
服については、パーカー部分はダボッとしたように見せるため体部分より大きめに、逆にタイツ部分はピチッと見せるため体の線に沿って線を描いていきます。パーカーが柔らかく厚手になるように、尖らせないで丸く大きく肘と肩に集中してしわを描きました。
髪の線は、顔を傾けてるので、接地面に対して垂直に近くなるように描きました。つむじは頭のてっぺんに来ると仮定してます。
次はカラーラフです。「こういう感じにしようかなぁ」くらいの気持ちで描いてるので大分粗いです。
まずは下描きの(略)を元に、ペンツールでべた塗りしていきます。髪の青いところは筆ツールを使って描いた…ハズ。
ロゴ部分はさっきの画像を貼り付けて変形したものです。
どうせ後でもっと描き込むのでささっと描きます。光源の位置は斜め後ろであることを意識しながら塗ります。本質的な部分ではないので説明も省きます。
カラーラフの時点で「世には出せるかなぁ」の意気込みでやると後々気が楽になります。
下描きの下描きとカラーラフを合わせたものです。
下描きの(略)とカラーラフを元に下描きしていきます。部位によって不透明度を適宜変えて描いていきます。
さっきの工程で形はけっこう整えてるので、ほぼなぞってるだけだったりします。その上でさらに違和感があるところを直していく感じですね。OUCRCロゴは直線ツールで作りました。
あと、袖口はわざと線で描いてない部分があります。理由としては色の違いで陰を表現できるのと、線で描いてもごちゃごちゃする(=情報量が多くなる)のが嫌だったからです。
出来上がった下描きがこうです。
ようやく下描きまで終えることができました。作業が遅いので、ここまでくるのに数日かかっています。
ですが、ここからが本番といったところでしょうか…
線画とはいっても、今回は線の強弱もつけないので、ほぼ下描きに沿って描いていきます。使用したペンは「線画用ペン」です。これもクリスタでは人気のダウンロード素材ですね。
線を目立たせたくないのでブラシサイズを極端に小さくしてみました。たしか5px以下だったのは覚えてるんですよね…その上で眉・目・鼻の顔パーツと服のしわの一部は、他の部位よりさらにブラシサイズを小さくしています。
一番重要なのはベクターレイヤーで描いてることです。ラスターレイヤーと違い、後から線の修正がしやすいです。あと、「線Aを線Bと交わった点まで消す」といった動作もできるので重宝します。
とはいえ、全部の線を修正するのは手間なので出来るだけ自力で描いています。描いては消し描いては消しのアレです。
顔レイヤーの隣になにやら×がついてるモノがあることに目がいくかもしれません。後でくわしく説明しますが、実は眉毛、まつげ、瞳の部分の線画は最終的に見えなくなります。その見えなくするための機能を今オフにしている状態なのです。
さて今回は線画までの工程を書きました。実は本来、この一つの記事に全工程をまとめようと思ったのですが、めちゃめちゃ縦に長くて画像も多いので分割することになってしまいました…
というわけで、ことちゃんイラストゆるゆるメイキング【その2】に続きます!ここまで読んでいただきありがとうございました!
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