執筆者: しげ
最終更新: 2021/09/14
[警告] このページは非常に情報量が多いです.真剣に2-in-1 Windows PCを探したい人はご覧ください.沼ります.
こんにちは.しげです.最近は2-in-1 Windows PCのバリエーションが増えてきましたね.格安モデルから高級なモデルまで,性能も低いものから高いものまで様々です.
この記事では各社から販売されている2-in-1 Windows PC(2020年モデル・2021年モデル)を取り上げて,最強の2-in-1 Windows PCはどのモデルか?ということを吟味していきます.皆さんの善きパートナーになってくれるPCが見つかれば幸いです.この記事だけでなく,the比較なども参考にしてみてください.
岡山大学電子計算機研究会に所属している(する予定の)皆さんは,情報・電気・数理データサイエンス系学科の人が多いと思うので,要求するPCの性能はかなり高め(第11世代Intel Core i5またはAMD Ryzen 5 4500U以上,メモリ8GB以上,SSD 256GB以上)で考えていきます.また,大学在学中はMicrosoft 365のライセンスが提供されるので,Microsoft Officeを搭載しないモデルを考えます.
*本記事における 2-in-1 PCの定義はタッチパネルを搭載しており,キーボードと本体が分離するデタッチャブルモデルか,画面が360度回転するコンバーチブルモデルに限ります.画面が360度回転しないがタッチパネルを搭載するモデルはこれに該当しません.また,あまりに高価格のPCや企業向けPCは取り上げません.個人向けに販売されている価格20万前後までのPCを対象にします.
では,まず候補となるモデルを探していきましょう(2021/8/20時点のモデル).
ざっとこんな感じでしょうか.色々な価格帯・特徴をもったPCが集まりました. 中でもデタッチャブルモデルのPCはSurface Proだけですね.他のPCはコンバーチブルモデルです.デタッチャブルモデルのPCで性能を追求するなら,Microsoft Surface Pro一択となるでしょう.デタッチャブルモデルのPCを探している方は,ぜひ岡山大学生協からSurface Pro 7+を購入してください.Intel IrisXeグラフィックスを搭載し,高性能です.Surface Pro 7を自分で買うと色々もったいないと思います.
皆さんが気になるのはやはりコンバーチブルモデルのPCではないでしょうか.デタッチャブルは接点不良が起きたり,インターフェースの数が少なかったりという欠点がやはり避けられません.安定性やインターフェースの豊富さではやはりコンバーチブルモデルのPCです.しかし,各社が似たようなコンバーチブルPCを出しています.どのモデルを選べばいいのでしょうか.ここからはそれを考えていきましょう.
そのPCを用いて何をやりたいかによって,選ぶべき製品は変わってきます.また,製品それぞれに良いところ・悪いところがあります.ここでは,何を吟味するかのポイントについて見ていきましょう.ちなみに,筆者はバランスを重視していて何一つ捨てたくないのが信条です.この記事の最後には,筆者が様々な要素を勘定した最強の2-in-1 Windows PCを発表します.
PCの基本性能に関わるパーツの一つです.コア・スレッド数,周波数,キャッシュサイズによって性能が決まります.AMD Ryzenのほうが高性能で低価格なので,Intelでなければいけないなどの特別な理由がなければ,Ryzen 5やRyzen 7搭載のモデルがおすすめです.ベンチマークスコアなどから性能を知ることもできます.マルチタスクをこなすには良いCPUである必要があります.Ryzen 5000番台のRyzen 7搭載モデルがおすすめです.
PCの基本性能に関わるパーツの一つです.メモリ速度,チャネル数によって性能が決まります.また,タスクを増やせば増やすほどメモリを使うので容量も吟味する必要があります.一般に8GB,仮想マシンや動画作成などの重い作業には16GB~32GBがおすすめです. ストレージにSSDを搭載するモデルの場合,メモリが不足すると100倍の時間のロスが発生します.今後何に使うか分からないけどずっと使いたいと思う人は16GBにしましょう. Intel Optaneメモリを搭載するモデルもあるようですが,その詳細はよく分かっていません(筆者が無知).
データを保存するパーツです.何があってもSSDを選びましょう.セカンドディスクとしてHDDを搭載するのは可です.間違ってもOSドライブにHDDを搭載するモデルは買わないでください.人生が終わります. 統合開発環境や仮想マシンの実行,動画作成などでは多くのデータを保存する必要があるため,容量が重要になります.256GBが一般的で,背伸びして512GBもオススメです.とても多くのデータを保存する人は1TBも候補にするといいでしょう.SSD 256GB + HDD 1TBという構成の仕方もいいと思います.ちなみにOSドライブがSSDになっている理由は,HDDに比べて1000倍早い時間で応答するからです.HDDでは応答に時間がかかり,OSがもたつきます.HDDをOSドライブに搭載するPCを購入した場合,間違いなく後悔するでしょう.
PCを使う上で欠かせないものの一つにインターネットがあります.無線LAN親機との通信を行うためには,PCに内蔵の無線LANモジュール,または外付けの無線LAN子機が必要になります.どの程度の通信速度が出せるかIEEE 802.11で定義される通信規格のどれに対応しているかが関係します.現代のPCはWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)及びBluetooth 5.0に対応しているのが一般的です.
ディスプレイ解像度は蔑ろにされがちですが,1366x768とフルHD(1920x1080),4K(3840x2160)では作業領域の範囲は大きく異なります.解像度が高ければ高いほどキレイですし,作業領域も広いです.一般用途ではフルHDで十分でしょう. また画面比も時折考える必要があります.一般的なPCは16:9の画面比ですが,タブレットとして見ると縦方向が狭く感じるので,近年は3:2,16:10もおすすめではあります.ちなみに筆者は原則16:9派です. ディスプレイパネルの種類も大事です.IPSパネルは視野角が広く,どの角度から見てもキレイに見えますが,TNパネルは少し横から見ると黒く見えるといった特徴があります.デザインや動画編集に使おうとしている人にとっては色域も重要な判断指標です.色域が広いディスプレイは色の再現度が高く,実際に印刷した色との差が少なく,きちんと調整された写真を見たときに実写とほぼ同じように見えます.自然な発色を求める用途には色域が必要です.IPSパネルが最も色域を網羅している場合が多いです(パネル性能に依存します).色域を評価する基準としてsRGBやDCI-P3といった規格があります.
持ち運ぶノートPCなので,バッテリ持続時間も大事な要素の一つです.特にメーカー公称値はあまり当てになりません.使い方にもよるとは思いますが,公称値の半分くらいしか持たないと考えたほうがいいでしょう.公称値15時間以上はほしいところではあります.どの程度PCを持ち運ぶかによって考えるといいでしょう.
PCを利用する上で注意しないといけないのが盗難や盗み見です.本人以外がPCに勝手にログインできないようにロックする機能がついていますが,従来はパスワード認証のみで,パスワードを知られると中身を見られてしまう危険性がありました.Windows Helloは顔認証や指紋認証により,本人以外がPCにログインすることを困難にすることができます.セキュリティを重視したい人はWindows Hello対応デバイスを購入することをおすすめします.
PCの使い心地に関わる要素の一つにキーボードの配列があります.よく使うキーが存在するか,テンキーは必要かどうか,キー配列が変でないか(ShiftキーやAltキーの位置,Enterキーと]キーがつながっていないか),キーピッチ・キーストロークはどうか,押し心地はどうかなど,今後長く付き合うパートナーですからしっかり検討しましょう.また暗所での利用を想定している場合はバックライトを装備するキーボードを選ぶとよいでしょう.
ノートPCにはトラックパッドというポインティングデバイスがついています.ここに指で触れることで様々なジェスチャー操作とスライド操作,拡大・縮小が行えるようになっています.トラックパッドは各社大きさや質感が異なっています.また左・右クリックボタンが別でついているかどうかも判断のポイントになるでしょう.最近は別ボタンを備えないモデルがほとんどを占めています.トラックパッドの位置も大事ですね.
拡張ポートがなければ,PCは外部と情報をやりとりすることができません.例えば有線LANポート,USBポートなどです.マウスもつないで,外付けHDDもつないで,外部モニターをつないで...と色々つなぐためにはPCに対応する拡張ポートが存在する必要があります.近年USB-C端子しか搭載しないモデルがあったり,USB-Cポートは1ポートついているけど,充電端子と兼用で充電中は使えないモデルがあったりします(意味不明).またどこにどの端子がついているかも確認して,自分の思い描くデスクが作れるかも考えておきましょう.妄想が止まりませんね.ちなみにVGA端子を備えたPCは,現代にはLet's noteを除いてありません.VGA端子をPCに求めるのはやめましょう.USB Type-CハブにVGA端子があるものを別途購入するのがベターです.HDMI端子がついているPCはたくさんあります. 一般にUSB-C×1~2,USB-A×1~2,SD(microSD)カードスロット,HDMI,イヤホンジャック端子を備えていれば大抵のことには使えると思います.有線LAN(RJ-45)端子は薄型のPCにはついていません.薄すぎてつけるスペースがないんだと思います. ちなみにAppleのMacはUSB-Cしか備えてないらしいですね.無茶苦茶でしょ.ハブ前提はやめろ.ハブだって結構重いし場所も取るんだから.1台で全てを完結できるのが,できるPCだと思います.
13インチは持ち運びに適したサイズ感です.一般的なバッグに余裕で入ります.テンキーは備えないモデルがほとんどです.また,拡張ポートにも余裕がないことも多いです. 14インチは13インチだと小さいという人におすすめです. 15.6インチ(15インチ)はやや大きいですが,画面が大きいことから見やすかったり,キーボードがテンキーを備えるモデルが多く,拡張性も高いです.持ち運び用途が少なめの人にはおすすめです.またインチが大きくなってくると冷却機構にも余裕が出てくるため,高負荷時に性能が下がりにくいという特長もあります.
どんなに素晴らしいPCでも,デザインがイケてなければ気分も乗りません.どのデバイスが 自分の好みにあうかどうかは,ぜひHPに足を運んで調べてみてください.
予算問題はいつも深刻です.できるだけ安く済ませたいというのは分かりますが,多くのノートPCの場合は,一番下位のモデルは使えないことが多いです(Core i3やRyzen 3になったり,メモリが4GBで少なかったりする).8~15万程度で予算を見積もるのが良いでしょう.
定番のOfficeソフトです.Word,Excel,PowerPointなどがあります.このソフトだけで2万円程度するので,価格に大きく影響します.今回は搭載しないモデルを考えます.
今までの条件は正直どのメーカーでも似たりよったりな部分がありました.しかし各社はWebページで,機種の特長を紹介しています.他のメーカーにはない,とても魅力的な特長があれば,ぜひそのデバイスを選んであげてください.本記事で候補にしているデバイスの特長を下記に記しておきます.ぜひ検討の参考にしてください(ただ事実を述べているだけで,その機種だけの特長と見なせないものは記載していません).また記載ミスがある可能性もあるので参考程度にご覧ください.
最後に筆者が候補の中から判断した,最強の2-in-1 Windows PCを発表します. なお,HP・Lenovoなどは頻繁に割引セールを行っているため,セール中は他メーカより安い可能性がありますが,今回はそれを除外します.また,安定性を取る場合はIntelモデルを選びましょう.
この部門では,より良い性能(CPU)をより安い価格(メーカー希望小売価格基準)で入手できることを基準に判定します.そのため,要求性能はIntel Core i7またはAMD Ryzen 7,メモリ16GB,SSD512GB以上を前提で判断します.
*割引セール中であれば,Lenovo直販が一番安いと思います.時期によって状況は変わりますので,自分で調べてみてください.一時期,Lenovo IdeaPad Flex 550とかは驚異的な値段になっていました.
この部門では,とにかく安くデバイスを入手できることを基準に判定します.要求性能はIntel Core i5またはAMD Ryzen 5,メモリ8GB,SSD256GB以上を前提で判断します.
*割引セール中であれば,Lenovo直販が一番安いと思います.時期によって状況は変わりますので,自分で調べてみてください.一時期,Lenovo IdeaPad Flex 550とかは驚異的な値段になっていました.
この部門では,ロマン溢れる魅力的な特長を持つデバイスを判定します. 選ばれたのは,「ASUS Zenbook Duo 14 UX482」でした.やはり2画面デバイスは魅力がありますね.セカンドディスプレイはペンに対応しているので,講義を聞きながらデジタルノートも取れそうな感じです.外部GPU「GeForce MX450」を搭載したUX482EGの下位モデルがコスパに優れていそうな感じです. Intel Core i5-1135G7,nVidia GeForce MX450,メモリ16GB,SSD512GBで179,800円です.
今更思ったけどこの機種,画面360度回らなくない?(機種選定の前提条件に反している) まぁロマンがあるからいいや.
この部門では,この記事で触れた全ての要因を総合的に勘定して,筆者がオススメできる1台を発表します.筆者の主観も入ることをお許しください. ちなみに筆者が重視しているものについて先に触れておきます.
筆者は重いゲームはしないので,外部GPUなどを搭載したいという要望はありません. 上記の要件であれば,一般の方からややヘビーユーザまで満足してもらえるデバイスが選べるかと思います.
頑張って1つに絞ろうと思っていたのですが,2つまでしか絞りきれませんでした.幸い両者とも異なる部分が複数あるので,お好みの方を選んで頂きたいと思います.拘りがなければ,1つ目の方を選べば間違いないです.
1.HP ENVY x360 15(Intel,AMD)
こんな人にオススメ
*AMDモデルはペンが別売です.
2.HP Spectre x360 14
こんな人にオススメ
どの2-in-1 Windows PCを買おうか迷っていて相談したいという方は,筆者のTwitterのDMで教えていただければ相談に乗ります. それでは,ありがとうございました.
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