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ハーフブリッジ回路ができるまで その3

執筆者: 2D

最終更新: 2021/03/05

3.SEPP回路の導入(~500kHz)

この頃から、どうもコレクタ負荷から信号を取り出してFETを駆動するのは遅いと勘付き始めていた。そこでSEPP(Single Ended Push-Pull)回路を導入してFETのゲート容量を高速に充放電することにした。また、それに加えてFETの寄生容量とゲート抵抗による過渡現象も考慮して回路を改修した。それが以下の写真である。

結果は大成功。ついに500kHzの壁を突破し、目標を達成した。ここからしばらくはこの回路でワイヤレス給電の実験を行うことになる。とはいえ、この回路は時々ハイサイドのPchMOSFETが吹っ飛ぶという欠陥を抱えていた。オシロスコープで各FETのゲート電位を見ると、特にハイサイドのPchでしきい値ギリギリの弱々しい波形が見えた。これでは動作はしても大電流を負荷に供給することができない(これが高周波域で負荷を接続すると大きな電圧降下が起きる原因だと思われる)。更に、ハイサイドがPchMOSFETだから高速化に限界が見え隠れしている。まだまだ改善が必要だ。

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2018年度 入部

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